先史 【芸術活動が始まった】
■新人の洞穴絵画として、フランスのラスコーやスペインのアルタミラが有名である(2万年前?)。新人の段階で(多分3〜4万年前から)、人類は美術という活動を開始した。野生動物は狩猟の対象ではあったが、彼らは畏敬の念を持って野生動物を描いたにちがいない。
では、音楽はいつから始められたのか?(残念なことに、高校の教科書などでは、全く触れられていない。)3万5千年前の横笛(フルート)が南西ドイツのホーレ・フェルス洞窟で発見されている。ハゲワシの骨でできており、長さ約22センチ、直径8ミリ。5つの指穴があるという。この洞窟からは、高さ6センチほどの、マンモスの牙でできた「ヴィーナス」像も発見されている。
人類は、美術と音楽という芸術活動を、ほぼ同時期に始めたのである。もちろん、ダンスも始まっていたことだろう。
人類の出現から、500万年の歳月が流れた後であった。
《参考文献》
「3万5000年前 フルート、大地に響く」(「朝日新聞」2009年6月25日付)