2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧
★江戸前期の日本で「華夷変態」と呼ばれたように、明から清への王朝交代によって再び「夷狄」の王朝が中国を支配することになった。これは、「華夷の別」を主張してきた儒学(特に主流の朱子学)にとっては、容易ならざる事態であった。明末清初の転換期を生…
★ネーデルラントのアントウェルペンを訪れていたデューラーは、ルターが暗殺されたらしいという知らせを聞いた。1521年5月のことである。彼は、日記に「おお神よ、もしルターが死ねば、これから誰が聖なる福音をかくも明瞭に説いてくれるのか」と書いた。た…
★セーレン・キルケゴール(1813〜55、デンマーク)は、日本では1960年代を中心に読まれたが、今では「哲学史博物館」の実存哲学の部屋に展示されている。キリスト教的実存主義と分類され、20世紀のヤスパース、ハイデガー、サルトルの先駆者として、コーナー…
啓蒙思想において光で表されてきた理性は、フランス革命(1789〜99)では擬人化された。革命の祭りの中では、人形や絵によってではなく、生きた女性によって表現された。 フランスの詩人ミストラルが晩年に(20世紀初め)語った思い出の中に、リケルというお…
◆スペインとの独立戦争(1568〜1609)を戦いながら、ネーデルラントの北部7州(オランダ、7州のうちのホラントが語源)は急速に発展した。カトリックの中心スペインに対し、北部7州にはカルヴァン派の人々が多かった。1581年の独立宣言で成立したのは、絶…
★1953年(嘉永6年)7月8日、ペリー司令長官率いるアメリカ東インド艦隊4隻が浦賀沖に現れた。うち2隻は、当時最新鋭の蒸気軍艦(マストもあり蒸気走と帆走を兼ねた)であった。アメリカ人フルトンが蒸気船を発明してから(1807)、わずか46年後のことで…
◆スペイン内戦が始まって2ヵ月後の1936年9月、コルドバ戦線で1枚の写真が撮られた。「崩れ落ちる兵士」。(画像がなくて申し訳ありません。)撮ったのは、ロバート・キャパだった。人民戦線政府(共和国)軍の兵士がフランコ軍に撃たれた瞬間の写真は、フ…
◆わずか25歳でこの世を去ったカルティニ(1879〜1904)は、インドネシア民族主義運動・女性解放運動の先駆者と言われる。死後(1911)、オランダで出版された書簡集『光は闇を越えて』はベストセラーとなり、インドネシア語訳は現在も版も重ねている。 カル…
★19世紀、まだ誕生して間もないアメリカ合衆国は、さまざまな問題に直面していたが、特に奴隷制度は大きな問題となっていた。合衆国憲法も黒人奴隷を市民とは見なしていなかった。 「良心的」で「人道的」な人々は、解放奴隷(逃亡奴隷を含む、自由民となっ…