2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

▶書評 【柄谷行人『哲学の起源』(その2)】

<通説との接ぎ木> ■序章では、前6世紀〜前5世紀に関する、通説的な倫理思想史(たとえばヤスパースの「世界史の基軸時代」が思い出される)が紹介され、それに柄谷の交換様式説が接ぎ木されている。倫理思想史そのものはやや古めかしく平板で、新しい視…

▶書評 【柄谷行人『哲学の起源』(その1)】

■哲学の始まりを叙述した書物はあまたあるが、哲学の起源を探求した書物は少ない。その探求には、たいへんな力が必要とされる。それを、柄谷は行おうとした。■哲学への希求は、すべての人の心にある。その意味では、『哲学の起源』は、人々の関心の根底に触…

中世 西アジア・ヨーロッパ 【オスマン朝の勃興とバルカン支配】

★アナトリア北西部に誕生したトルコ系オスマン朝は、すでに14世紀にはバルカン半島(南東ヨーロッパ)を支配するにいたった。これは大きく見れば、ウマイヤ朝のイベリア半島進出(8世紀)のような、イスラーム勢力の西進であったが、何がオスマン朝のバルカ…