2017-01-01から1年間の記事一覧

世界史 こんな「考える授業」をしてみました ⑦【「インド=ヨーロッパ語」とイギリスのインド進出】

■毎年、オリエントの授業で、予備校の生徒たち(浪人生)に尋ねています。 「インド=ヨーロッパ語系っていう語が出てきた時、なんか変な感じしなかった?」 年度によって多少違いますが、3分の2の生徒は「変な感じがした」ということでした。 「何が変だ…

世界史 こんな「考える授業」をしてみました⑥【三権分立:生徒たちの誤解を解く】

◆18世紀のフランス啓蒙思想は、フランス革命やアメリカ独立革命を考えるうえでも、近現代の民主政治を考えるうえでも、大変重要です。◆授業では、モンテスキューの三権分立論に一定の時間を割くようにしています。◆10数年前、三権分立についての生徒たちの理…

世界史 こんな「考える授業」をしてみました⑤【もっとラテンアメリカを知る】

◆ラテンアメリカについては、教科書で扱われているページ数は多くありません。センター試験でも出題は限られています。◆生徒たちも教員も、ナスカやマチュピチュなどの遺跡には関心がありますが、ラテンアメリカの歴史全体への関心は高くありません。◆「ヨー…

世界史 こんな「考える授業」をしてみました④【「パジャマ」から考える言語の授業】

■言語や文字の歴史は、世界史の中の重要な要素ですが、必ずしもていねいに取り上げられていないと思います。■幼少期に外国で暮らした経験をもつ高校生や外国人と接している高校生が以前よりは増えているものの、多くの生徒は「学校英語」を中心に学んでいる…

世界史 こんな「考える授業」をしてみました③【ラヴェンナとユスティニアヌス大帝のつながりは?】

■ビザンツ帝国(ユスティニアヌス大帝の時代までは「東ローマ帝国」と呼んだほうが適切ですが)の授業でラヴェンナを取り上げることは、標準的な授業ではないと思われるかも知れません。■しかし、以下の文章を読んでいただければ、ごく標準的な内容(旧西ロ…

古代〜現代【共和政を理解しづらい生徒たち −政体の理解の重要性−】

◆世界史教育において、政体は必ずしも自明なものではありません。教員も、きちんとした定義はしないまま、専制君主政、共和政などの用語を使っているのが現状だと思います。◆一般的な使用では錯綜が見られ、学問上も諸説がありますので、政体の理解は簡単で…

古代〜現代【歴史における遺体・遺骨(ジャンヌ・ダルクと劉暁波)】

◆ネアンデルタール人から始まったとされる死者の埋葬は、人間にとって大変重要なものであり続けています。◆葬送儀礼のあり方や遺体・遺骨・遺灰などの保管の仕方は、人間の歴史に深く関わってきました。◆政治的権力や宗教に関わる事例もたくさんあります。 …

世界史 こんな「考える授業」をしてみました②【中国史:南宋をしっかりとらえる】

☆宋代は中国史の画期なのですが、その授業はけっこう難しいと思います。位置づけを明確にしてきちんと取り上げなければなりません。そうしないと、生徒たちの中では、隋・唐と元・明・清の間に埋もれてしまうかも知れません。☆そのような反省も踏まえたうえ…

世界史 こんな「考える授業」をしてみました①【アウグストゥスの元首政】

★今回は、確認のための基礎的な「考える授業」です。【授業に「考える活動」を組み込む】であげた、二つの目標のうちの1に当たります。★【問3】がメインになります。「教科書のあるページの内容と別のページの内容を結びつけて理解すること」を目標にした…

★新科目「世界史探究」に向けて −「考える世界史の授業」を!−

◆「アクティブ・ラーニング」という語が独り歩きしている印象は否めませんが、授業のありかたを考え直すきっかけになっているとは思います。◆しかし、「歴史=暗記」という学習から、具体的にどうやって脱皮していけばいいのでしょう?◆たとえば、膨大な知識…

■アメリカ合衆国の光と影 [史料とコメント](その2)

<アメリカ史を考えるための史料 Ⅵ〜Ⅺ> Ⅵ ミシシッピ州憲法(1890)第8条 207項 白人と黒人の子どもたちには、それぞれ人種によって分離された学校を設ける。第14条 263項 白人が、黒人、白人と黒人の2分の1の混血、あるいは黒人の血が8分の1以上混じ…

■アメリカ合衆国 の光と影[史料とコメント](その1)

■就任したばかりのトランプ大統領のニュースを見ない日はありません。■アメリカ社会の分断はおさまっていくのでしょうか? 2017年は、やがて、世界が混乱するきっかけになった年と位置付けられることになるのでしょうか?■トランプ大統領の登場は、私に「も…