世界史ミニ授業(中世)【ムハンマドに、大天使が現れた(その1)】
★今日から、イスラーム世界に入ります。まず、イスラーム教はどのようにして成立したか、です。みんなはイスラム教って、伸ばさないで覚えてると思うけど、正しくはイスラームと伸ばして言います。もともとの発音に近い形で言う、書き表すっていうのが、今の世界史の原則になってるからね。
それから、私もこれから慣用的にイスラーム教って使うけど、本当は「教」をつけないで、イスラームって言うのが正しいんだって。というのは、イスラームが次のような意味だからなんだ。[板書:イスラーム=神アッラーへの絶対帰依]読み方は、いいかな? ○○くん、「ぜったい」の後、何て読む? (○○くん「…」)「きえ」ね。「帰依」の意味も難しいね、「信じて従うこと」でいいかな。[板書:信じて従うこと]「絶対信じて絶対従うこと」ね。このイスラームの意味は、「倫理」でも出てくるから。「倫理」でセンター受ける人、少ないと思うけど。もう一つ、イスラームが宗教であるだけじゃなくて、社会・経済・政治すべてを含んでることからも、「教」をつけないんだね。
今、世界には16億人のムスリム、イスラーム教徒のことね、ムスリムがいる。[板書:16億人のムスリム=イスラーム教徒]日本でも、以前よりは増えてるらしいよ。7〜8年前だけど、「○△市に初めてモスクができた」っていう新聞記事を読んだことがある。モスクってお祈りをする所。今は、イスラーム圏からの留学生もいるからね。
イスラーム教成立の前提の一つなんだけど、ちょっと教科書の「イスラーム以前の西アジア」っていう地図、見て。アラビア半島のヒジャーズ地方、わかる? ヒジャーズ地方のメッカ、メディナが商業活動で栄えていた。メッカ、メディナ、チェックしておいて。アラビア半島の北の二つの国、ビザンツ帝国とササン朝、この二つ重要だからね、ビザンツ帝国とササン朝との間で争いが続いて、交易ルートが衰えた。このあたりは、東西の交易ルートの、オアシスの道や海の道の一番西側だよ。それで、ササン朝からビザンツ帝国へのルートが衰えて、ヒジャーズ地方からシリアへのルートが活発になった。シリア地方ってどこだっけ? 地図にはシリアっては出てないね。シリアの中心都市は出てるよ。何ていう都市かな? はい、先生回っていくから、指さして。[巡回して確認]ダマスクスだよ。チェックしておいてね。それで、メッカやメディナが栄えるようになった。あと、メッカは、多神教の神殿があって、巡礼地でもあった。
じゃ、いよいよ本論、イスラーム教は、どのように始まったか。[板書:イスラーム教の成立…7C前半、アラビア半島で]7世紀前半っていうのを、しっかり押さえて。いわゆる三大宗教を成立順に言うと、どうなるかな? △△さん、三大宗教を成立順に言ってみて。(△△さん「…仏教、キリスト教、イスラム教」)そうだね、大丈夫だね。イスラームと伸ばしましょう。仏教が紀元前500年頃、キリスト教が紀元後の1世紀、そしてイスラーム教が7世紀。