復習プリントから考える世界史Bの授業・教科書(先史)【農耕・牧畜の始まり】

《復習プリントから[基本事項を確認し、流れをつかもう]》 *印はやや難

西アジアでは、約9000年前に( 1 )の栽培と羊・山羊の飼育が[少し遅れて豚・牛の飼育も]始まった。初期農耕遺跡としては、メソポタミア北部の*( 2 )やパレスチナのイェリコがある。西アジア以外でも、各地に特色ある農耕文化が成立した。また数千年前には、草原地帯で家畜を連れて移動する( 3 )という暮らし方が生み出された。

【解答】
 1 ムギ   2 ジャルモ   3 遊牧


《授業・教科書との関連》(教科書名は略称)

★「農耕・牧畜の始まり」は、進度の関係もありごく簡単に済ませる方も少なくありませんが、人類の歴史では極めて重要な出来事です。

★復習プリントですので厳密さを求め過ぎてもいけませんが、「羊・山羊の飼育が[少し遅れて豚・牛の飼育も]始まった」としてあります。教科書の中では、東書がこのような記述をしています。(さらに厳密に言えば、ムギの栽培のほうが先行していますが。)

★<東書>と<山川(新)>が彩文土器の写真を載せています。<山川(新)>は、写真の選び方も解説もすぐれています。

★オリエント中心の農耕・牧畜の始まり[<山川(詳説)>の記述はその典型です]に陥らないようにするため、授業で各地の特色ある農耕文化に触れておくことが大切です。教科書には、世界各地の農耕文化がわかる地図が必要です。載せているのは<東書>と<帝国>ですが、<帝国>の「おもな栽培植物と家畜の起源」はよく工夫されています。なお、<山川(新)>は本文でやや詳しい記述を行っており、<東書>は巻頭で「各地の農耕文化」を詳しく記述しています。

★各地の特色ある農耕文化については、スペースの関係で空欄補充問題を作れなかったたため、「センター型問題に習熟しよう」に自作問題を載せています。

★(3)の遊牧についてですが、「農耕・牧畜の始まり」の授業で、簡単に触れておくことにしています。中央ユーラシアの学習の伏線にもなります。教科書の中では、<東書>が巻頭で牧畜・遊牧・オアシス農業について解説しています。 


※復習プリントの基本的考え方については → 【復習プリントと世界史Bの授業づくり】