【◆復習プリントと世界史Bの授業づくり(復習プリントの公開にあたって)】

 私の場合、復習は既成の空欄補充問題(集)を使ってきました。しかし、既成の空欄補充問題(集)では、どうしても不満が残り、私の授業展開と連動した(同時に大学受験に役立つ)復習プリントを作成する必要が生じました。

 復習プリントは、テーマごとに4部構成にし、B4版1枚にまとめてあります。4つの部分は、次の通りです。

  ①基本事項を確認し、流れをつかもう
  ②地図で確認しよう
  ③ヴィジュアル資料を確認しよう
  ④センター型問題に習熟しよう

 ①が空欄補充問題で、復習プリントのメインの部分です。左側半分に載せています。問題数は、テーマによって違いますが、25問前後です。「やや難」のレベルの問題も、少し含まれています。
 既成の問題集と組み合わせて使う場合は、①の部分だけ、あるいは④の部分だけプリントしています。

 空欄補充問題とは言っても、サブノートのような空欄補充にはしてありません。たとえば、「ギリシアの文化」では、次のような問題は作っていません。

  ★叙事詩人( ア )…『( イ )』、『オデュッセイア

 あくまで文章を読むことを通して、確認できるようにしています。文化史の場合は、著者名や作品名の丸暗記にならないよう工夫しています。そのため、教科書の記述よりも詳しくなっている場合があります。
 ホメロスについては、次のような問題にしてあります。

  ★二篇の叙事詩トロイア戦争アキレウスなどが活躍する『( ア )』と戦後のオデュッセウスの冒険を描く『オデュッセイア』は、( イ )によってまとめられた。

 文章はさまざまなものを参考にしていますが、できるだけ自分なりの文章でまとめるようにしています。要を得た簡潔な文章を書くことは結構難しく、時間もかかります。市販されている用語問題集などと比較していただければ、類書にはない問題文になっていることがわかると思います。

 ②③は教科書・資料集の図版の再確認ですが、①と相互補完の関係にあります。

 ④ではセンター型問題に慣れることを目標にしています。①の空欄補充問題で不足な点を補う役割も持たせています。通常は、1〜2問です。センター試験の過去問も使っていますが、自作問題を多く載せています。

 復習プリントの一部は、【復習プリントから考える世界史Bの授業・教科書】で公開していきます。ただ、復習問題の単なる紹介ではありません。また効率的な復習プリントの作り方の提案でもありません。教科書の比較・検討もしながら、授業を考え直すきっかけとなるような内容にしていくつもりです。歴史の見方についても、問題提起をしていきます。

 教科書比較は、【新課程用教科書「世界史B」の検討①〜⑩】を引き継ぐものですが、検討対象を2冊加えています。出版社名・教科書名は略記しています。

 ○山川(詳説)=『詳説世界史B』(世B304、山川出版社
 ○山川(新)=『新世界史B』(世B306、山川出版社
 ○東書=『世界史B』(世B301、東京書籍)
 ○実教=『世界史B』(世B302、実教出版
 ○帝国=『新詳世界史B』(世B303、帝国書院

 【世界史B教科書を比較してみると1〜10】と同じく、テーマごとに、公平に比較・検討していきます。

★本ブログは、世界史の研究としてのテーマ史からスタートしましたが、しだいに「研究と授業実践の総合」を目指す内容になってきました。【復習プリントから考える世界史Bの授業・教科書】は、研究と授業実践の結び目となるものです。


※ → 復習プリントから考える世界史Bの授業・教科書(先史)【農耕・牧畜の始まり】

※世界史の授業のあり方については → 【授業を考える(ミニ授業の公開にあたって)】

※世界史Aの1年間の授業の紹介は → 【世界史Aの授業を振り返って<その1>】

※高校生に向けて書いた、世界史の勉強のしかたについては → 【世界史の学びかた】