その他 【時代区分について】

○世界の諸地域の歴史を単一の尺度で区分することは、困難である。また歴史の見方そのものと密接に関連しているため、諸説がある。したがって、ここでの時代区分は便宜的な部分を数多く含んでいる。異論はたくさんあると思われる。

○中国史を中心とした東アジア史の場合、魏晋南北朝時代以降を中世、宋以降を近世とした。(なお、東アジア史とはいうものの、日本史の時代区分とは合致しない。)また、異論を承知で、明後期(16世紀後半)以降を近世、18世紀末〜19世紀末を近代とした。詳述はしないが、近世のメルクマールは銀による世界との結びつきの始まりであり、近代のメルクマールはマカートニーによる貿易拡大要求である(それぞれ、明朝、清朝の転換期でもある。)

ヨーロッパ史では、近世の始まりは、15世紀後半とした。(英語の early modern を近世ではなく「初期近代」と訳している場合があるが、「初期近代」とほぼ同じ意味で近世という語を使用している。)
アメリカ史については、中世を設定せず、古代の次に近世(コロンブスの来航以後)としている。中南アフリカオセアニア等についても、これに準じた。
ヨーロッパ史アメリカ史の場合、18世紀後半の産業革命・市民革命以降を近代とし、19世紀末の帝国主義時代以降を現代とした。
○近世と近代にまたがる場合は、やむを得ずどちらかに分類してある。近代と現代にまたがる場合も同様である。

○南アジア史・東南アジア史の近世・近代については、ヨーロッパ史に準じている。
イスラーム史の場合は、中世から開始し、オスマン帝国コンスタンティノープル占領以降を近世、18世紀後半以降を近代とした。