初期キリスト教の授業(古代末期)【五大教会の理解を深めるために】
☆[標準]で終わっても、問題はありません。
☆[プラスα]、[さらにプラスα]を授業で取り上げれば、ひと味もふた味も違う授業になると思います。(少し難度が高くなりますが。)
★図表等の地図で五大教会を確認する時、次のことに注意します。[標準]
・キリスト教が地中海地域の宗教として成立したこと。
・ローマ以外は、東ローマ帝国の領域にあること。
・公会議開催地のニケーア、エフェソスがコンスタンティノープルの近くであること。
★東ローマ帝国の領域は、かつてヘレニズム時代にギリシア語が広まった地域です。つまり、ローマ支配下に入っても、ギリシア語は使われ続けていました(ギリシア語・ラテン語併用地域)。このことを確認すると、生徒たちは次のことを理解しやすくなります。[プラスα]
・『新約聖書』はギリシア語で書かれた。
・ビザンツ帝国では、7世紀からギリシア語が公用語となった。
★アンティオキアは耳慣れない地名ですが、ローマ統治下の属州シリアの州都でした。パウロが布教して以後、キリスト教の中心都市の一つとなっていました。[プラスα]
★ヘレニズム時代のアレクサンドリアについて復習しながら、次のことに触れます。(多分、ちょっと驚くようなことも、含まれているはずです。[さらにプラスα]
・ローマ帝国下でもムセイオンは存続しており、アレクサンドリアは相変わらず地中海文明の中心地だった。プトレマイオスも、アレクサンドリアで学んだ。
・キリスト教公認後は、キリスト教の中心地の一つとなった。アリウスもアタナシウスも、アレクサンドリアの司教だった。
・しかし、キリスト教国教化後、ムセイオンは異教の中心とみなされるようになり、5世紀初めキリスト教徒によって襲撃された。