<問いからつくる世界史の授業>(中世)【ジャンヌ・ダルク】

★世界史では、「生徒たちの関心は高いけれど、授業で詳しく取り上げるのは難しい」という人物がたくさんいます。ジャンヌ・ダルクもその一人です。今回は、そのギャップを埋めるためのオリジナル問題です。解説(◆の部分)のしかたにもよりますが、授業の中で数分割けば大丈夫だと思います。「知りたい!」という生徒たちの気持ちに、少しは応えることができるでしょう。[レベルは 標準 に設定してあります。]


問題(プリントまたは板書)☆

 ジャンヌ・ダルクの処刑(火刑)について述べた次の文①〜④のうちから、適切なものを一つ選べ。

 ① 処刑後復活したと信じられた。
 ② 戦争犯罪人として処刑された。
 ③ 遺骨は人々の尊崇の対象となった。
 ④ キリスト教の異端として処刑された。

 ※正解は④です。


イングランド(イギリスという語は使うべきではありません)に売り渡されたジャンヌは、聖職者たち・神学者たちの強い要望によって、宗教裁判にかけられました。なお、判決で魔女という語は使われていません。

◆②の「戦争犯罪」という概念は、20世紀のものです。この考え方によって、第二次世界大戦後、ニュルンベルクと東京で国際軍事裁判が行われました。

◆③の事態になることを恐れたイングランド側は、ジャンヌの遺灰をすべてセーヌ川に流させました。(処刑地は、セーヌ川の河口に近いルーアンです。)


◆さらに考えたい方は ➡ 【ランス大聖堂とジャンヌ・ダルク】

◆シリーズ<問いからつくる世界史の授業>については ➡ こんな考え方で書いていきます