◆<世界史ブックガイド>と授業

◆本ブログのサブタイトルは<文化と社会の交点から見えてくる歴史>ですが、私は「文化・政治・経済の複雑な絡み合いをトータルに考える授業」を目指してきました。とても到達できそうにない目標なのですが、他のページでも述べましたように、さまざまな補助線を引いて授業を構成してきました。

◆補助線を引く時に役立ってきたのは、やはり本です。でも、狭い意味の世界史の本だけではありません。「えっ?」と思うような本も、案外世界史の授業を豊かにします。視野が広いことは、世界史の教員にとって必要条件でしょう。直接的な「ネタさがし」よりも、広い関心を持ってさまざまなジャンルの本や記事に接することが大切です。そうすると、結果的に、意外なところで「授業のネタ」は見つかるものです。

◆考えてみれば、さまざまな本の内容と授業をブリッジすることに、楽しみを見出してきたのかも知れません。もちろん苦労は避けられませんが、ブリッジが成功すれば、生徒たちの目が輝きます。

◆ブリッジという言葉に、教員の仕事のほぼすべてが含まれているような気がします。

◆これからしばらくの間、短いレビューとともに、ブックガイドを書いていきます。新書や文庫を中心に紹介します。


⇒第1回は、出版されたばかりの矢野久美子『ハンナ・アーレント』です。